「調べても農家向けの制度ばかりで、クマに使えるのか分からない…」
そんな長野県の方へ、市町村ごとに“クマに使えるか・誰が使えるか”までまとめました。
長野県で「クマ用の電気柵補助」を個人で使うのは、正直むずかしいのが現状です。市町村に柵の補助はありますが、対象獣に「クマ」と書いてある市町村の制度は確認できませんでした。多くはイノシシ・シカ・サル向けで、佐久市や伊那市は「クマは対象外」とはっきり書いています。クマそのものへの対策は、長野県が市町村を通して支える間接的なしくみで動いています。だからこそ、まず見るのは市町村の窓口です。
- 長野県内10市町村の柵補助を「クマ対象か・誰が使えるか」で一覧化
- なぜ「クマ用の柵補助」が見つからないのか(県経由という構図)
- 令和8年度でも制度が明確な松本市/家庭菜園まで対象を広げる軽井沢町
- 公式で見つからなかった長野市・飯田市・塩尻市の問い合わせ方
※ 各市町村の公式サイトをもとに作成。確認日:2026年7月12日時点。数値・対象は変更される場合があるため、申請前に各担当課で再確認してください。
まず結論:長野で“クマ用の柵補助”を個人で使うのは難しい
→ 柵の補助はあっても「クマ対象」と明記した市町村制度はゼロ。多くは農業者向けです。
長野県内で確認できた10市町村のうち、電気柵や防護柵に補助があるのは7市町。ただし、その多くは「市内で農業を営む人」や「農地を耕作する人」が条件です。庭や自宅まわりのクマよけ電気柵に、一般の住民が使える補助は確認できませんでした。
対象獣に「クマ」と書いてある市町村の柵補助も、ゼロでした。ほとんどがイノシシ・シカ・サルなど農作物を荒らす獣を想定した制度です。佐久市と伊那市にいたっては「クマは対象外」と明記しています。柵はクマにも物理的に効きますが、制度の建前としてはクマ用ではない、というのが長野県の特徴です。
いちばん裾野が広いのは軽井沢町。家庭菜園を持つ人(準営農者)まで対象を広げています。それでも「別荘の所有者・一般住民も使えるか」は公式に書かれていないため、確認が必要です。
長野県内の補助制度いちらん表
→ 松本・上田・佐久・安曇野・伊那・大町・軽井沢に柵補助。ただし対象獣にクマの明記はありません。
主な市町村の状況を、対象者とクマの扱いで並べました。数値は各市町村公式の記載を要約したものです。
| 市町村 | だれが使える | 補助率・上限 | クマの扱い・受付 |
|---|---|---|---|
| 長野県 | 市町村向け(間接補助) | 交付要綱による | クマ対策を含む・R7資料あり |
| 松本市 | 農家・協議会・管理団体 | 資材費1/2以内 | クマ明記なし・R8制度あり |
| 上田市 | 畑を持つ個人等(耕作者) | 3/10以内・上限7万円 | クマ明記なし・R4〜現行 |
| 佐久市 | 農業者限定 | 1/3以内・上限15万円 | クマは対象外と明記・現行(R8想定) |
| 安曇野市 | 集落・農業向け | 侵入防止柵1/2・上限50万円ほか | クマ明記なし・R7確認 |
| 伊那市 | 2戸以上の農業者 | 1/2以内・上限75万円 | クマは対象外と明記・年度不明 |
| 大町市 | 農地を耕作する人 | 電気柵1/2・上限15万円 | クマ明記なし・現行 |
| 軽井沢町 | 営農者・準営農者(家庭菜園可) | 資材費1/2(準営農者上限5万円) | クマ明記なし・年1回 |
| 塩尻市 | 農業者向け | 個人1/2ほか(要再確認) | クマ明記なし・R7掲載 |
| 長野市 | ― | ― | 個人向け設置補助は公式で確認できず |
| 飯田市 | ― | ― | 個人向け柵補助の一次ページ未特定 |
※制度名:長野県=野生鳥獣総合管理対策事業ほか/松本市=鳥獣被害防止総合対策(防護柵)/上田市=鳥獣被害防止施設設置補助金/佐久市=農作物等有害鳥獣被害防止事業/安曇野市=有害鳥獣対策用品購入補助金/伊那市=有害鳥獣被害防除対策事業補助金/大町市=有害鳥獣対策事業補助/軽井沢町=有害鳥獣被害防除用施設設置補助金/塩尻市=有害鳥獣被害対策事業補助金。
農業者・耕作者が中心で、対象獣に「クマ」と書いた制度は無い。この2点が長野県の柵補助の実態です。
なぜ“クマ用の柵補助”が見つからない?:クマは県経由の間接補助
→ 市町村の柵補助は農作物向け。クマ対策は長野県が市町村を通して支えるしくみだからです。
「クマの補助が無い」わけではありません。担い手が県だ、というのがポイントです。市町村の電気柵補助は、もともとイノシシやシカから畑を守るための農業支援。だからクマは主役ではなく、佐久市・伊那市のように「対象外」と書く例まであります。
一方でクマ(ツキノワグマ)そのものへの対策は、長野県が「野生鳥獣総合管理対策事業」などで動かしています。人里への出没を抑える柵や対策を、県が市町村に補助する形です。ここで大事なのは、これが住民や農家が県へ直接申し込む制度ではない点。あくまで市町村への支援です。
つまりクマ対策も、住民から見れば入り口は市町村。「県に問い合わせよう」ではなく、まず市役所・町村役場の農政課や林務課に聞く、という順番になります。
松本市・軽井沢町:長野で“今”動きがある2つ
→ 松本市は令和8年度も制度が明確。軽井沢町は家庭菜園まで対象を広げています。
年度がはっきりしていて動きがあるのは、この2つです。松本市の鳥獣被害防止総合対策は、電気柵や物理柵などの資材費を2分の1以内で補助する制度。令和8年度からは倒木処理の単価も新しく設けられ、R8年度も制度が続くことがはっきりしています。ただし団体・協議会単位が中心で、対象獣にクマの明記はありません。
軽井沢町は、長野県内でいちばん裾野が広い制度です。有害鳥獣被害防除用施設設置補助金は、営農者だけでなく「準営農者(家庭菜園をする人)」まで対象。準営農者は資材費の2分の1・上限5万円が案内されています。
ただし注意点があります。公式の対象に書かれているのは営農者・準営農者・農業集団まで。別荘の所有者や、菜園を持たない一般住民が使えるかは記載がありません。 軽井沢はクマ対策を町の環境課が別ルート(ピッキオへの委託)で進めており、柵補助とは別枠です。家庭菜園でクマ・シカに困っている人は、自分が「準営農者」に当てはまるかを町へ確認するのが確実です。
公式で見つからなかった長野市・飯田市・塩尻市は問い合わせを
→ 個人向け補助が公式で確認できませんでした。無いとは限らないので担当課へ電話を。
長野市・飯田市・塩尻市は、個人が使える柵の設置補助を公式サイトで確認しきれませんでした。これは「制度が無い」という意味ではありません。長野市は鳥獣被害防止計画をつくっており、飯田市も国の交付金を使っている可能性があります。塩尻市は電気牧柵の補助が検索では出てきますが、公式ページの本文が開けず、数値の裏取りができていません。
どの市も鳥獣被害への取り組み自体はあります。柵を考えているなら、次の順で確認してください。
まずやること
- 「◯◯市 鳥獣被害 補助」または「◯◯市 農政課 電話」で検索
- 見つからなければ市役所の代表電話から農政課・林務課につないでもらう
- 聞き方は「個人で使える柵の設置補助はありますか」「クマ対策の柵は対象ですか」。対象者とクマの扱いをセットで確認しましょう
申請前に必ず確認したい3つのこと
→ 「自分が対象か」「買う前に申請が要るか」「その年度も使えるか」の3点を確かめてください。
長野県の補助は市町村ごとに条件が細かく違います。申し込む前に、次の3点だけは各窓口で確かめてください。
1つ目は、自分が対象者に入るか。農業者・耕作者限定の市町村が多いため、一般住民や家庭菜園でも使えるかは最初に確認する点です。2つ目は、買う前に申請が要るか。佐久市のように「購入前の相談が必須」の制度では、先に買うと補助が受けられません。3つ目は、その年度も制度があるか。伊那市のようにページの更新が古く年度がはっきりしない制度もあり、令和8年度に使えるかは要確認です。
数値や受付期間は年度替わりで変わることがあります。ここに載せた内容も2026年7月12日時点のものです。動く前に、必ず各市町村の最新ページを開いて確認してください。
まとめ:長野のクマ・電気柵補助のポイント
✅ 対象獣に「クマ」と明記した市町村の柵補助はゼロ(佐久・伊那はクマ対象外と明記)
✅ 柵補助はあっても農業者・耕作者向けが中心。一般住民のクマよけ用は確認できず
✅ クマ対策は長野県が市町村を通して支える間接補助=住民の入り口はやはり市町村
✅ 松本市はR8年度も制度が明確/軽井沢町は家庭菜園(準営農者)まで対象
✅ 軽井沢町も別荘所有者・一般住民の可否は記載なし=町へ要確認
✅ 長野市・飯田市・塩尻市は公式で確認できず→農政課・林務課へ問い合わせ
まずは自分の市町村が「誰まで対象か・クマを含むか」を確認するところから。長野ではクマ用の柵補助を個人で当てにするより、市町村の窓口でクマ対策の相談をするのが近道です。年度と予算枠は動くので、申請前に公式ページを必ず開きましょう。
▶ 他の県のクマ・電気柵補助金もチェック →全国のクマ対策補助金の探し方
▶ 補助金・助成金のまとめはこちら →補助金・助成金のまとめ
※ 本記事の情報は2026年7月12日時点のものです。補助の対象・上限・受付期間は変更される場合があります。申請前に必ず各市町村の公式サイト・担当課でご確認ください。


コメント